| NXP PMIC 電源初めてガイド 2 | |||
もくじ
1. はじめに
本記事は NXP PMIC 開発キットを初めて触る方向けに評価環境セットアップ手順を日本語で解説します。
PF7100 Evaluation Board をベースに解説しますが、その他 PMIC ファミリである、PF8xxx / PF7100 / PF502x / PF5xxx などの Evaluation Board にもご参考いただけます。
参考：PF7100 | Multi-Channel (7) PMIC for i.MX8 | NXP Semiconductors
2. PF7100 デバイス概要
PF7100 は i.MX プロセッサはもちろん、他社プロセッサ、ASIC、FPGA の電源 IC として使える PMIC です。7ch 出力電圧でプログラマブルな電源シーケンスを構成できます。電圧・電流・温度を監視して Fault 検出も可能です。
- 7ch 出力電圧（DCDC x 5ch + LDO x 2ch）
- VIN 入力電圧範囲は 2.7 ~ 5.5V
- VSNVS は i.MX プロセッサの RTC ドメイン向け出力電圧
- プログラマブルな電源シーケンス構成可能
- 電圧監視機能（Over Voltage / Under Voltage 設定）
- 電流監視機能（Current Limit 設定）
- 温度監視機能（各電源 ch に温度センサー配置）
- Fault 検出
- ウォッチドックタイマー内蔵
- 機能安全 ASIL B 対応
- 7×7 mm 48-pin QFNパッケージ
図1：PF7100 DCDC と LDO の構成
3. 準備するもの
ハードウェア：KITPF7100FRDMEVM（Macnica Mouser からご購入いただけます ⇒ 製品リンク）
ソフトウェア：NXP GUI for Automotive PMIC Families (無償、My NXP 必要)
参考：NXP Semiconductors の My NXP 登録のメリットと登録方法 - マクニカ (macnica.co.jp)
4. EVK セットアップ
PF7100 Evaluation Board は KITPF7100FRDMEVM（以下、PF7110 EVK） x1台、USB ケーブルx1本が付属しています。
図2：PF7100 Evaluation Board 外装箱と梱包内容
図3：PF7100 EVK のボード仕様
ボードのジャンパーピン18本を以下のようにセットします。
写真は正しくジャンパーピンがセットされた様子です。デフォルト設定と見比べて確認してください。
特に表の赤文字ハイライトの J7, J20, J21 はデフォルトから変更する必要がある場合がありますのでよく確認してください。
図4：PF7100 EVK ジャンパーの設定内容（変更後）
| ジャンパー番号 | セットする値 | 内容 |
| J7 | 2-3 ショート | VINを外部安定化電源から供給します |
| J11 | ショート | LDO1INをVINから供給します |
| J12 | 1-2 ショート | 外部LDOを3.3V出力にします |
| J14 | オープン | LDO2ENピンをMCUで制御します |
| J15 | ショート |
PGOODピンをgreen LEDに接続します |
| J20 | 1-2 ショート |
TBBモードを有効にします |
| J21 | オープン | TBBモードを有効にしてMCUで制御します |
| J22 | 1-2 ショート | VDDIOを外部LDOから供給にします |
| J25 | オープン | STANDBYピンをMCUに接続します |
| J26 | 2-3 ショート | PWRONピンをVINにプルアップします |
| J27 | 2-3 ショート | FSOBピンをVINにプルアップします |
| J28 | ショート | FSOBピンをred LEDに接続します |
| J29 | オープン | PWRONピンをSW1に接続します |
| J30 | 2-3 ショート | VSELECTピンをVDDIOにプルアップします |
| J31 | ショート | LDO2INをVINから供給します |
| J32 | ショート |
PWRONピンをMCUに接続します |
| J33 | ショート | STANDBYピンをMCUに接続します |
| J39 | ショート | PWRONピンをgreen LEDに接続します |
5. NXP GUI ツールインストール
NXP GUI ツールをインストールします。
NXP GUI for Automotive PMIC Families にアクセスし、下記図のように [DOWNLOAD] をクリックします。
図5：NXP GUI for Automotive PMIC Families HP ダウンロードボタン
Agreement を [I ACCEPT] クリックします。
図6：ご利用誓約事項の同意画面
ダウンロード完了後、NXPGUI_PR_10.0.0.zip がダウンロードされます。
解凍すると以下のフォルダ階層となっており、
"1 - NXP_GUI_Setup" フォルダ中身の "NXP_GUI-10.0.0-Setup.exe" を実行します。
図7：NXPGUI_PR_10.0.0.zip の中身
次の画像の通り、[Next] クリックし続けてインストール実行します。
図8：インストール手順
[Finish] をクリック出来たら、インストール完了です。
デフォルトの場合、”C:\Program Files (x86)\NXPGUI” にインストールされます。
6. EVK ファームウェアのアップデート
PF7100 EVK の ドーターボードである FRDM-KL25L Board のフォームウェアをアップデートします。
手順①：
「RST」 ボタンを押し続けたまま SDA ポートにケーブル接続します。
青色 LED が点灯し、黄色 LED がチカチカ点滅します。
作業 PC が PF7100 EVK を BOOTLOADER(D:) ドライブとして認識します。
図9：作業 PC と PF7100 EVK の接続方法
BOOTLOADER(D:) ドライブ に MSD-DEBUG-FRDM-KL25Z_Pemicro_v118.SDA ファイルを保存します。 MSD-DEBUG-FRDM-KL25Z_Pemicro_v118.SDA ファイルは 先ほど zip 解凍した
NXPGUI_PR_10.0.0\2 - KL25Z_FW\PF7100 フォルダにあります。
ドラック＆ドロップでコピーして保存します。
図10：MSD-DEBUG-FRDM-KL25Z_Pemicro_v118.SDA のコピー
手順②：
SDA ポートを抜き、再度 SDA ポートにケーブル再接続します。 注記：このときは RST ボタンは押しません。
上手く起動できれば、青色LEDと黄色LEDが点灯したままになります。
作業 PC が PF7100 EVK を FRDM-KL25Z(D:) ドライブとして認識します。
図11：作業 PC と PF7100 EVK の再接続
FRDM-KL25Z(D:) ドライブ に nxp-gui-fw-frdmkl25z-usb_hid-pf7100_v0.2.4.bin ファイルを保存します。
nxp-gui-fw-frdmkl25z-usb_hid-pf7100_v0.2.4.binは 手順②と同じフォルダーにあります。
図12：nxp-gui-fw-frdmkl25z-usb_hid-pf7100_v0.2.4.bin のコピー
ファームウェアのアップデートが完了しました。
これで評価環境の準備は完了です。
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