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もくじ
1. はじめに
本記事は NXP PMIC EVK 向け開発ソフトウェアである NXP GUI for Automotive PMIC Families (以下 NXP GUI) を日本語で解説しています。NXP GUI は GUI 操作で以下のことができます。
- PMIC のOTP プログラミング
- PMIC のレジスタを直接リード・ライト
- PMIC の消費電力の評価
- PMIC の出力電圧をモニタリング
- PMIC のFault 検出を確認・モニタリング
参考：NXP GUI for Automotive PMIC Families
2. ツール起動
Windows スタートメニューで "NXPGUI" 検索して実行します。
図1：Windows スタート画面
Kit Selection Window が立ち上がりますので [PF7100] 選択して [OK] クリック。Advanced Settings はデフォルトのままです。
図2：Kit Selection Window
メモ：NXP GUI（ver 10.0.0）がサポートしている PMIC 開発キット一覧です。
3. ツール概要
NXP GUI が起動します。GUI 概略を説明します。
図3：NXP GUI ツール画面
| ① コミュニケーション・ツールバー |
作業 PC と開発キットの接続(Start)/切断(Stop)をします。 tbb (try before buy) -mode と user-mode を切り替えます。 CRC/Secure と内部ウォッチドックを有効/無効にします。 |
| ② ステータス・バー | MCU(KL25Z) と PMIC Device の通信状態を表示します。 |
| ③ コマンド・ログ | PMIC Device のリード/ライトのログ履歴を表示します。 |
| ④ コントロール・エリア |
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メモ：コントロール・エリアの [OTP] と [POWER] は開発キットが無くても操作可能です。
3-1. [ACCESS] メニュー
Functional register と Mirror register をリード/ライトします。
tbb-mode で Mirror register をリード/ライトします。 user-mode で Functional register をリード/ライトします。コミュニケーション・ツールバーで tbb mode または user mode を切り替えます。
図4：コミュニケーション・ツールバー
[Register Map] タブ：アドレス表記で Functional register と Mirror register をリード/ライトします。
bit 1 は橙色、bit 0 は 水色で表現されています。
[PMIC Config]、[Functional Safety]、[LDO Regulators]、[SW Regulators] タブ：ユーザーフレンドリーな GUI 画面で Functional register と Mirror register をリード/ライトします。[Register Map] タブまたは上記のタブのどちらでも設定できます。（リード/ライトの操作としてはどちらも同一です。）
[AMUX] タブ：各電圧・温度の状態をMCUでモニタリングできます。
3-2. [SCRIPT] メニュー
[SCRIPT] メニューでスクリプト（.txt）を実行します。TBB スクリプト実行手順：
① [Open] > TBB Script.txt を読み込みます。（TBB Script.txt は [OTP] タブで作成します。）
② Script Commands Window に TBB Script.txt が表示されます。
③ [Run] クリックするとスクリプトが実行されます。
④ スクリプト実行結果が Script Result Window に表示されます。
3-3. [PROG] メニュー
OTP プログラミングします。別売品の OTP Programming Board が必要になります。OTP プログラミング実行手順に関しては別記事でご説明します。UM11482 参照。
参考：UM11482, KITPF7100FRDMPGM evaluation board - User guide (nxp.com)
3-4. [INT] メニュー
割り込みの監視、クリアをします。
Clear Status：INT Status レジスタを示します。bit 1 の書き込みでクリアします。
Mask Status：INT MASK レジスタを示します。INT 制御できる（Not masked）と INTB 制御できない（Masked）
Sense Status：INT SENSE レジスタを示します。
3-5. [MIRROR] メニュー
Mirror register をリード/ライトします。
tbb-mode で Mirror register をリード/ライトできます。（user-mode だと全てグレーアウトになります。）
[Read All] クリックで OTP Fuse の中身をミラーした（同一の）Mirror register を読み出します。
Mirror register 書き込み手順は
① tbb-mode に設定します。
② [OTP Import] > .cfg ファイルを読み込みます。（.cfg ファイルは [OTP] タブで作成します。）
③ [Write All] クリックで Mirror register に .cfg ファイルが書き込まれます。
④ [Read All] クリックで .cfg ファイルが書き込まれていることを確認します。
⑤ tbb mode から user mode に切り替えると Mirror register の設計で動作します。
[ACCESS] タブにも反映されています。
3-6. [POWER] メニュー
電力の評価をします。
・各出力チャネル毎の電力効率をシミュレーションします
・各出力チャネル毎の電力損失をシミュレーションします
図5：電力評価シミュレーション・グラフ
実行手順：
① [Import OTP Config] クリックして .cfg ファイルを読み込みます。白色セルは入力で、.cfg ファイルの情報が白色セルに反映されます。黄緑色セルは計算結果が出力されます。
② 各出力チャネル毎の電力効率グラフの表示は各チャネルにある [OPTIONS] プルダウンメニューより [EFFICENCY CHART] クリックします。
③ 各出力チャネル毎の電力損失ブラフの表示は各チャネルにある [OPTIONS] プルダウンメニューより [POWER CHART] クリックします。
3-7. [OTP] メニュー
OTP プログラミング・ファイル(.cfg) とスクリプト・ファイル(.txt) を生成します。
各タブ [Configuration] [Hardware Configuration] [Sequencer] [SW Regulators] [LDO Regulators] [Program ID] で設定します。
- OTP コンフィグファイル(.cfg) は右側の [Save Config] クリックして .cfg ファイル形式で保存します。NXP GUI ツールの各種設定で使用します。
- OTP スクリプトファイル(.txt) は左上側の [Export] > [OTP] クリックして、.txt ファイル形式で保存します。OTP fuse プログラミング実行に使用します。
- TBB スクリプトファイル(.txt) は左上側の [Export] > [TBB] クリックして、.txt ファイル形式で保存します。NXP GUI ツールのスクリプトコマンド実行に使用します。
3-8. [IO PINS] メニュー
ピンの制御と監視をします。PMIC が RUN 動作中にピンを High/Low 制御したり、監視（ポーリング）を行います。
4. PMIC State Machine
NXP GUI ツール操作の概念を理解するために PMIC ステートマシンと各レジスタ・アクセスの簡易説明です。ざっくり全体イメージを把握するため細部を省略していますので正確には各 PMIC 型番の datasheet 13. State Machine 参照ください。
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OTP & Trim Load state
- V1P5D と V1P5A の閾値電圧超えると OTP Fuse から Mirror register にロードされます。
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Off Modes state
- 各電源チャネルが Power up sequence する前の Low power ステートです。
- このステートで tbb-mode を有効にすることができ Mirror register をリード/ライトできます。
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System ON state
- 各電源チャネルが電圧電流出力して動作しているステートです。
- Functional Register をリード/ライトできます。
図6：PMIC 状態遷移図
5. まとめ
NXP PMIC 開発ソフトウェアである NXP GUI ツールを説明しました。間違えやすい内容をまとめました。
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PMIC デバイスの起動モード
- Hardwire mode：デフォルト内部 OTP Fuse で動作します
- OTP mode：OTP Fuse を Mirror register にロードして動作します
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NXP GUI のモード
- user mode：Functional register を設定できます
- tbb mode：Mirror register を設定できます
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NXP GUI のファイル
- OTP config ファイル（.cfg）：OTP 設定を記載したファイル
- OTP script ファイル（.txt）：OTP Fuse プログラミング実行ファイル
- TBB script ファイル（.txt）：tbb mode に切り替えて Mirror Register に書き込み完了すると user mode に切り替えて power up sequence まで一連操作行うスクリプト実行ファイル
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